公開 : 2021/12/22 : 2021/12/23
DUCATIのエンジンオイル乳白化問題-原因の究明方法と症状の遷移について
DUCATIのエンジンオイル乳白化問題がひとまず解決したのでご報告。
事の発端はある日見つけたオイル窓の乳白化。
乳白といっても私の場合、真っ黄色でした。
またトラブルかよ、とウンザリしてましたが、調べてみるとエンジンの内部やブローバイホースなどに発生した結露が原因で起こることがあると。
しかし6ヶ月もの間この症状は出続け、結果プロに診断してもらうことに。
「さすがにクーラント混入か…」と、目に余る症状に見えましたが、診断結果はやっぱり「結露」!
素人には判断が難しすぎる…
そんなヒヤヒヤなオイル乳白化問題。
こんなの知っていないと不安で仕方がないはず。
症状の経緯や、判別方法など、詳しく紹介していきたいと思います。
オイル乳白化の症状は5月発症で11月まで6ヶ月間継続
※音量注意
症状が出ていた季節は、確認している限り5月〜11月くらいまでの間。
まー確かに、湿度高めな感じではありますが、、、12月以降も出る可能性もあります。
バイクの性能的には全く問題無し。
5月に初めて見たときは、
「なーんだ結露か、まーそのうち治るっしょ」なんて気軽にスルーしてました。
Moisture in oil – may be condensation. You might need to ride longer if your only doing short rides.
…what he said
Oh go ride the damn thing for more than twenty miles, its all good.
出典:DUCATI.ms
私が調べた限りでは、
結露が原因の乳白なら、長いツーリングに行けば治るよ、という意見がほとんどでした。
念には念をと、DUCATI.msという海外掲示板を見ても意見は同じ。
しかーし、長いツーリングに行っても治らず。
結局オイル交換をしてオイルチェックするも特に問題はなさそう。
ただ、廃油パックに染み込ませている形式だったので、しっかりとは確認できていませんでした。
1ヶ月経っても走るたびに毎回乳白。
さらに半年ほど経過しても同じく乳白。
「なんなのいったい…」
不安が蓄積される。
ここまでしつこいと、
「流石におかしいのでは…」と不安に駆られるワタシ…
もし致命的な水分量だとすれば、このまま乗り続けるのはマズイのではないか…?
そんな状況をブログにアップしてたら、なんと優しい読者さんから「これまずくね?」っていう忠告をいただき、自他ともに感じる、いよいよヤベーぜという雰囲気…
ラジエターキャップをチェックするも白
水分が混入するとしたら原因はクーラントしかない。
ウォーターポンプ周りのガスケットシールが抜けて漏れた、なんていう事例はどうも珍しくないらしい。
もし、なにかしらクーラントがオイルにタッチしているようなら、ラジエーターキャップの裏にオイルが付く、という情報をキャッチ。
ヌルヌルして光っているので、触ってみて色や匂いをチェックするとわかるとの事。
早速チェックしてみる。
うっ…み、見るのが怖い…
しかしセーフ。触り心地はサラサラでした。
ほっとするのと同時に、一体なんなんだろうと、釈然とせず…
とにかく気持ち悪いので、一旦窓をクリアにしたい。
だってもしかすると一時的な漏れで、その時のものがずっとこびり付いてるだけかも。
オイル窓を無理矢理綺麗にしてみるもダメ
黄色いオイルが着いているのは窓の上の方。
オイルが浸っている部分の窓には乳白は無し。
ということはエンジンオイルを押し付ければ綺麗になるのでは?
と閃き、車体を意識的に右に傾け、オイル窓にオイルを押し付けてみると、狙い通り乳白化は消えてくれました。
エンジンを掛けるとオイルは上がっていくし、かなりバンクさせた走りでもしない限り、オイル窓全体にオイルが当たることって少ないみたい。
このまま何もなければ…
という淡い期待も虚しく、次の走行時にまたも乳白化発生。
なんでやねん。
しかも中々のボリュームでした…
「自分の場合、同じようにラジエターキャップにオイルは付着していませんでしたが、ウォーターポンプの付け根のシールが破けていました…」
もらったコメントが頭をよぎる…
これはいよいよプロに相談するしかない。
バイク屋の要請があれば任意保険のレッカーサービスが利用可能
出先からさっそく電話して一通り症状を伝えると、やっぱり一回見せて欲しいとの事。
そうだよね…
「任意保険入ってますか?
万が一を考えてレッカーの方がいいですよ。」
なんと!
てっきり手負いのまま自走で行かねばならないと思い込んでいました。
任意保険はチューリッヒのに加入しています。
どの会社でもレッカーサービスはほとんどついていて、チューリッヒの場合100kmまで対応。
電話口で伝えると、自走可能でも、バイク屋さんが必要と言うのならばレッカーの利用は可能との事。
ありがてぇ…
距離は50kmほど離れていたので使えるなら是非使っておきたいところでした。
1時間ほど待ってレッカー到着。
もはやこのくだりは小慣れたもの。
夕方からの搬送でしたが当日中に無事送り届けてくれました。
数日後、診断の結果が…
プロがやるオイル乳白化の原因究明方法とは?
プロのチェック方法は、
シンプルにエンジンオイルを抜いてみて水分が無いかチェックしたとの事。
もしクーラントが漏れていれば、この時点で明らかにわかるみたい。
その結果、水分は検出されず…
お、おい…
あんなに滴っていた奴らが、やっぱり結露という結論でした。
あの水分量、あの頻度、そして減るクーラント…
それでも結果は結露。そんなこともあるのね…
結局、エンジンオイル交換のみで、乳白化問題は解決、と。
なんだか釈然としないですが、ともかく大事に至らず良かった。
もしどこかのシールが抜けていたら、クランクケースカバーを開けねばならず、費用も時間もかなり掛かっていたはず。
念のため、他の気になる点も変更しておきました。
ひび割れしやすいブローバイホース。
いつか変えなきゃと新品をもっていたので交換して貰い、あわせて社外品のブローバイバルブも純正戻しに。
ちなみに、外したブローバイホースの中まで乳白化オイルが、、、
写真だとわかりづらいけど、もっとがっつりついていました。
でも、これもよくあることで異常ではないんだって。
戻ってきてからも多少は曇るものの、幸い、これまでよりも程度は低いみたい。
バイクの調子も問題無し。
12月になって急激に乾燥したからなのかしら…
一旦結論
オイル乳白化したらエンジンオイルをチェックや
もしオイル窓から乳白化が確認されたら、焦らず様子見して、オイル量が増えていないかをチェックするのが良さそう。
しっかりやるなら、エンジンオイルを抜いてみてトレーなどで確認するのがおすすめ。
もしクーラントが混入していたら、どんなにエンジンが熱くなって、そのあとしっかり冷ました状態にしても、抜いたエンジンオイルにしっかりと水分が確認出来るそうです。
実はしばらく走ったらクーラントのリザーバータンクを確認して、量をチェックしていました。
ムラがありますが、酷い時は500kmくらい走って300mlほど減っていた時も。
そんな状況だったのでクーラント混入はほぼ確信していたのですが…
こちらではなくオイルの方を確認するのが大事でしたね。
どうやら私のストリートファイターやSBKもなようですが、1098系バイクはクーラントが良く減るとの事。
灼熱なエンジン特性のせいなのかしら…
これも判断が難しかった原因でした。
いやー、翻弄されてしもうたな。
12月現在のオイル窓。
オイル交換後だからか、急に乾燥したからなのか、割と綺麗でした。
というわけで、あれだけガッツリ窓が汚されても、結露だよ〜って事はザラにあるのですね。
またひとつ、勉強になったぜ…
今回チェックをお願いしたのは、西東京にあるリトモルモロッソさん。(2022年春に八王子に移転するらしい)
ちょうどタイミングベルトを交換したかったので合わせてお願いしました。
その様子はまた次回に。
2 件のコメント “DUCATIのエンジンオイル乳白化問題-原因の究明方法と症状の遷移について”
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サイト管理人「パタロウ」。
プロを目指すほど小さいころから車好き。30過ぎてバイクにハマる。
バイクライフ・カーライフを支援する情報を発信しています。
パタロウの詳しいプロフィール
パタロウさん
いつも色々参考にさせて貰ってます。FC-MOTOもパタロウさんのお陰で知りました。
当方も749Sに乗ってる時、乳化が凄かったです。(M696は無いですが)
当方の場合、結論としてはブローバイが結露してエンジンに戻る事による水分混入でした。
確かにエンジンからのブローバイがエアクリに行くんでしょうけど、距離が長くて、傾斜も付いてるんで、結露したらエンジンに戻るよなと思いました。
色々と調べて、下記の方のアイデア?を施工しました。
要はウォータートラップをブローバイホースに付けて、結露水をエンジンに戻さない策です。
当方はこれすると驚く位の水がトラップに溜まり、乳化は無くなりました。
ブローバイの根本のバルブに乳化オイルが多いと、その可能性が強いかと。
よろしければ参考にどうぞ
参照URL
https://imp.webike.net/diary/147939/
おぉ凄い!!
このページ、検索では見つけられなかったので参考になります!
今のところ結露は落ち着いてますが、再発してきたら試してみようかな?
同じ構造のSF848は全然平気だったんですけどね。
深まる謎。